変化を広めるための方法
こんにちは。
2010年に近藤麻理恵さんの著書、「人生がときめく片づけの魔法」という本が世界中で読まれ「かたづけ」や「ミニマリズム」「断捨離」といった、一大ムーブメントが起きました。
これがどうして流行ったのか?という事を最近考えているのですが、その大きな要因の一つは、この考え方に共感してから実践するまでの「圧倒的な敷居の低さ」にあると思います。
例えば、「人生がときめく片づけの魔法」をソファで読んでいて、「なるほどなー」と共感した時、いつ買ったかも覚えていない埃を被った「ときめかない置物」がふと視界に入り、立ち上がってそのままゴミ箱に捨ててスッキリした。という具合です。
共感した次の瞬間に実践でき、効果を感じることができます。
こういった「◯◯メソッド」はたくさんありますが、片付けのように最初のステップの敷居が圧倒的に低く、その効果を実感するまでの時間が短いと、多くの人に広まりやすいように感じます。
「京大式カード」という、メモをとる手法を広めた梅棹忠夫さんの著書「知的生産の技術」に、以下の一節があります。
民衆は、保守的であり、ものぐさである。いまつかっている文字が、少々不合理でも不便でも、それをやめて、あたらしい文字にとびついたりはしないのである。
知的生産の技術/梅棹忠夫(岩波新書)
私のケースですが、よくアクセスするWebサイトを見るために、毎回ブラウザを立ち上げて、Googleでサイト名を入れて検索し、検索結果から目的のWebサイトをクリックする、という事を繰り返している事があります。1度スマホのホーム画面にブックマークを追加しておけば、次からは素早くアクセスできることを解っているのに。です。
便利な手法が目の前にあるのに、そのステップの敷居が高い(面倒)ため、習慣化されている行動を人はあまり変えようとしません。
先の一節は50年以上も前に書かれた本ですが、この真理は今でも変わっていないように思います。またこれからも変わらないでしょう。
新しい習慣や手法を広める事、それは、はじめの一歩の敷居を限りなく低くする事だと思います。その手順を徹底的にシンプルにして、無駄を削ぎ落とす事ができれば、低い場所に水が流れるように、多くの人に広まっていくと考えています。